マスカットから美しい海辺のドライブを楽しみ、スルタンカブース港近くに車を駐めれば、人気観光スポットのマトラスークはもうすぐです。
その魅力は、なんといっても地元に根付くがゆえのエスニックな雰囲気と、商品の安さです。歴史的にオマーンでは、衣料品や台所用品、香水といった生活用品を買う場所としてマトラスークが人を集めてきました。今もなお地元の人々のための市場という側面が強いため、値段は安めです。近代化の影響から観光向けに変わりつつあるものの、夜にはマグリブ(日没)の祈りを終わらせてからやってきたオマーン人の家族とすれ違います。
木造屋根に覆われた細い路地の中、お香の香りが漂うスーク内には、エキゾチックな置物や衣服、食品などのお土産が所狭しと並びます。マトラスークでは多くの店で値切り交渉ができます。パシュミナやアクセサリーなど、うまくすれば数割安くなるかもしれません。
この記事では、そんなマトラスークで買いたいお土産をご紹介します。
①衣服、帽子やバック、ぬいぐるみなど
元々地元の人の生活用品を売る場所という流れもあってか、衣類をはじめとした布製品は多く見られます。
クマはザンジバル(東アフリカ)に起源を持つ伝統的な帽子で、最初は男の子の帽子として始まり、その後男性の間で人気が高まったとされます。マッサー(Musar)のように縛る必要がないため被りやすいようです。値段は交渉次第で下げられますが、クマ専門店でハンドメイドのものを買おうとするともう少し高いかもしれません。一方女性がよく身につけるのはパシュミナのスカーフです。パシュミナはインドやパティスタン、中国から輸入されたものですが、とても素敵で、楽しい贈り物にもなりますから、ぜひお試しください。
オマーンの伝統的なドレスウェアであるマッサーは、軽くて壊れにくく、実用的です。元々男性用ながらユニセックスで使うことができ、色や品質をさまざま選べるので、プレゼントには気に入ったものが見つかるかもしれません。また、バックやぬいぐるみなどは小さく手頃でお土産にもちょうど良いでしょう。
②雑貨・アンティーク
モスクの目覚まし時計は代表的なお土産です。イスラムの模様や文字が入った印象的なデザインで、部屋に置いておけば会議にも礼拝にも遅れずに済むでしょう。
半月刀は現地の言葉でハンジャルと呼ばれ、国旗や貨幣、航空機の機体、切手などにも描かれています。湾岸地域で成人男性の証として腰に巻く刀だったもので、半月の形に曲がっていることで体に当たらないのだとか。成人式でベルトを卒業して刀を貰えるなんて憧れますね。銀を用いたものが多いですが、革製品もあります。
他にもランプやラクダのオブジェ、オマーン産の木材でできた宝箱などが置かれています。
③乳香
オマーンのお土産といえば乳香です。オマーンが海のシルクロードを形成し繁栄していた時代から、高級品としてヨーロッパの人々に愛用されてきました。オマーン原産の香木の樹液や木の粉から作られる格調高い香りをかげば、帰った後でもオマーンの思い出が蘇るはず。価格は量や純度によって大きく異なりますが、一般に白くて純粋なものは高価なのだそうです。
④食料品
地元の人向けには調味料やナッツなどが売られ、日本では馴染みの薄い野菜やドライフルーツなども置かれています。観光客向けにラクダの形のチョコレートなど、中東らしいお菓子もあります。アラビア諸国では牛のミルクではなくキャメル(ラクダ)ミルクが一般的で、チョコレートやキャンディー、ヨーグルトなどの食品や石鹸を買うと、使われているかもしれません。牛乳よりも栄養豊富で低脂肪低カロリーのキャメルミルクは、さっぱりと食べやすい独特の風味があります。話のネタにも、ぜひ一度お試しください。
⑤金・銀製品
金・銀でできたアクセサリーやハンジャル、コーランケースはオマーンの代表的なお土産の一つで、特にマトラスークには老舗の専門店もあります。金製品は少し値段が張りますが、洗練されたモダンなヨーロッパのデザインから、贅沢なアラビアンスタイルのものまでさまざまです。この地域の伝統的な銀のジュエリーは重厚的で角張ったデザインが特徴で、アンティークコインやミニチュアの銀箱などの装飾が施されています。
営業時間はおおよそ8時-22時。ただお昼過ぎは閉まっている店も多いので、訪れるなら17~21時頃が良いかもしれません。基本的に現金決済なので、オマーンリアルを持っておきましょう。