一度は行きたいロイヤルオペラハウスマスカット

ロイヤル・オペラ・ハウス・マスカット(ROHM)は、オマーンの音楽芸術と文化を代表する建築物の一つです。芸術を愛した前国王スルタンカブースの命によって計画され、4年間かけて建設されました。8階建て、25,000㎡の広大な敷地内では、コンサートホールや講堂、庭園、文化市場、高級レストラン、アートセンターなどを巡ることができます。

2011年の初演にはスペインのテノール歌手プラシド・ドミンゴが指揮したトゥーランドットが招かれ、イタリアからはアンドレア・ボチェッリ、アメリカからはルネ・フレミングを迎えるなど、初年度から注目を集めました。他にもロンドン・フィルハーモニー管弦楽団やアメリカン・バレエ・シアター、ジャズ、アラブ歌手まで、さまざまなパフォーマーが公演を開いています。


日本からも2018年に東京バレエ団によるマカロワ版『ラ・バヤデール』が公演を行い好評を博しました。さらに2022年3月には、一般社団法人グローバル・アジェンダと在オマーン日本大使館共催のもとで、宝生流による能楽公演が開かれています。日本とオマーンの外交樹立50周年を記念して実施されたこの公演では、宝生流第20代宗家である宝生和英氏が「石橋」を披露し、また華道家辻雄貴氏による日本及びオマーンの樹木を使用した作品が野外舞台を演出しました。オマーンで初となる能楽公演により、政府関係者及び各国大使等観覧者に日本の美を発信しました。
2022年11月には陸軍自衛隊西部方面音楽隊(隊長・志賀2陸佐)が「Military Music: Oman and the World」に参加しました。初の海外演奏となったこの公演では、ドラゴンクエストや鬼滅の刃(紅蓮華)~荒城の月~花は咲く~メトセラⅡの単独ドリルのほか、フィナーレにも参加し、9千人の観客に日本の音楽を届けました。

建物にはオマーンの大理石やイタリアの石灰岩、ミャンマー産のチーク、オーストリアのスワロフスキー製シャンデリアなど、世界各国の高級な素材がふんだんに使用されています。劇場内にはイギリスやフランスなど、各国からスルタンに送られた楽器が並び、オマーンの歴史を感じることができます。

技術的には、ラジオ・マルコーニのマルチメディア対話型ディスプレイ・シートバックシステム「Mode23」を世界で初めて装備したことでも知られています。テキストや音声の高速な同時翻訳を行うこの技術は、Cisco社から2011年に「今年最も革新的なもの」として表彰を受けました。約20分の内部ツアーでは、さらに詳しい歴史や展示物の背景のほか、ボタン一つで劇場をシアターモードからコンサートモードに切り替える大規模システムの仕組みも見ることができるそうです。

今年2023年の春にも、歌手フサイン・アル・ジャスミやローマ歌劇場バレエ団、U-THEATREによるドラムショー、インシャード(歌や朗読)の公演とオペラハウスの写真展が企画されています。

詳細は公式ホームページからご確認ください。

https://www.rohmuscat.org

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